米国・トランプ次期大統領の発言が波紋を呼んでいる。保守派のイベントに、トランプ次期大統領が登場。1万人を超える支持者が全米から集まっていて、2期目の政権への期待の高さを物語っている。米国・西部アリゾナ州で演説したトランプ次期大統領は「パナマから請求される料金はばかばかしく不当。わが区にに対するぼったくりは直ちにやめるべき」と述べた。トランプ次期大統領は、米国はパナマ運河の最大の利用国だとしたうえで、「米国海軍や民間船舶に対する通航料が高すぎる」と不満を表明。「適切な扱いを受けられなければ、パナマ政府に運河の返還を求める」と主張。演説後もSNSに運河と米国国旗の画像を投稿し「米国運河へようこそ」と発信。米国が建設し、1914年に開通した太平洋と大西洋をつなぐパナマ運河。1999年末にパナマに返還されましたが、通過する船の実に7割が米国を発着する船。この通航料を「ぼったくり」と非難した米国・トランプ次期大統領。名指ししたのが中国。トランプ次期大統領は「(運河の返還は)パナマが管理するためのもので、中国やほかの国が管理するためのものではない。運河を悪の手に渡すわけにはいかない」と述べた。近年、中南米諸国と関係強化を図る中国は、国家主席がパナマ運河を視察。その前年にパナマは台湾との外交関係を断って、中国と国交を結んだ。ロイター通信は、中国は運河の管理に関与していないものの、運河の拠点の港の運営を香港系の企業が担っていると伝えている。トランプ次期大統領は、中国の影響力が増すことに警戒感を示した形。これにパナマ・ムリーノ大統領は「パナマ運河とその周辺地域は、パナマのものであり、今後も変わらない」と反論。パナマ運河の通航料などは、政府の収入全体の20%に達し、貴重な財源。一方で「米国の新政権とは良好な関係を維持していきたい」とも述べ、不法移民や麻薬などの問題を優先して、協力していくべきだと強調した。