イスラエルがイスラム組織「ハマス」に対して、戦闘休止や人質解放を巡る新たな提案を行ったと、アメリカのバイデン大統領が明らかにした。だがイスラエルでは、極右の閣僚らが反発し、国内の調整が進むかが焦点となる。イスラエル軍は3日の発表で、「ガザ地区ラファで標的を絞った攻撃を続け、ロケット弾などの武器を発見した」としている。UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業展開)は、「ラファから100万人以上強制的に退避させられている」と指摘。またガザ地区の保健当局によると、ガザ地区ではこれまでに3万6439人が死亡したとしていて、人道状況は悪化の一途を辿っている。新たな提案では3段階に分かれていて、第一段階は6週間の戦闘休止、イスラエル軍がガザ地区の人口密集地からの撤退、収監しているパレスチナ人の釈放と引き換えに、ハマスが女性・高齢者などの人質解放。第二段階では恒久的な停戦と残りの人質全員の解放、第三段階はガザ地区の復興計画簿開始などが盛り込まれている。ハマスの幹部はアルジャジーラに対し「バイデン大統領の提案には前向き、検討する」としている。イスラエル・ネタニヤフ首相は1日に「戦争を終わらせる条件はハマスの軍事力・統治能力の壊滅と人質全員の解放」と声明を発表。ベングビール国家治安相はSNSで「明らかにされた内容はハマスの壊滅を諦めることを意味する。首相が交渉に応じれば政権から離脱する」などとけん制した。アメリカ・カービー大統領補佐官は「これはイスラエルの提案。ハマスが同意すればイスラエルも同意するだろう」とコメントし、ハマスの軍事能力については「全滅していないし軍事能力もゼロではないが10月7日の攻撃を繰り返す能力はない。軍事面だけを考えればイスラエルはガザ地区での目標をほぼ達成した」と語った。