ツタンカーメンの棺の上には花束が置かれていた。カーターは王妃アンケセナーメンの愛の深さを確信した。今回見つかった棺はさほど豪華ではなく、副葬品もツタンカーメンの王の名が記された指輪以外はほとんど見つかっていない。棺の中からは黒いミイラが現れた。3000年以上前に巻かれた布の繊維までがはっきりと分かる。ツタンカーメンのミイラも真っ黒に変色している。古代エジプトのミイラ制作は亜麻仁油を肌に塗り込み、70日間乾燥させてから布を巻いた。しかし乾燥が十分でないと亜麻仁油は自然発火する可能性もある。
ポータブル・レントゲンカメラは低線量で高画質なX画像がその場で撮影可能。ミイラは極めて保存状態がよく推定身長は170cmで当時としては大柄。性別は女性という。虫歯や歯の摩耗で年齢を推測する。年齢は28歳前後という。アンケセナーメンの人生はよくわかっていない。将軍ホルエムヘブが痕跡を全て無くしてしまった。また、ミイラとなった女性は事故で大怪我を負い亡くなったということがわかった。ミイラの女性はアンケセナーメンでなかった。