洋上風力発電の先進国・イギリスについて。イギリス風力エネルギー協会によると、海上の風車は2765基。イギリスの洋上風力発電の設備容量は、日本の70倍以上。駐日イギリス大使館によると、去年のイギリスの電源構成では、ガス発電を抜いて風力発電が全体の30%になっている。去年初めて風力発電が最大の電力源になった。再生可能エネルギーは43.8%で、日本の再生可能エネルギーの約2倍。イギリス・スターマー政権は、2030年までに洋上風力による発電能力を、3.5倍に引き上げるなどの計画を打ち出している。時事通信によると、背景にあるのはロシアによるウクライナ侵攻で、燃料価格の高騰が家計を直撃している実態。化石燃料脱却とエネルギー自立の必要性を訴えるなど、エネルギー安全保障を確立すべきだと強調している。再エネ拡大へ向けてイギリスは公営エネルギー企業「GBE」(グレート・ブリティッシュ・エナジー)を新設した。公共投資を通じて再エネ事業への民間投資を後押しするとともに、再エネ関連のインフラ保有・運営への関与も視野に入れて、環境技術への資金援助なども行い、イギリスはエネルギー市場への政府の介入を強めている。イギリスでは炭素税の関係から洋上風力発電の方が、ガス火力発電よりも安いという。イギリスでは民間が参入しやすいように海底の調査や環境評価などを政府主導で行うセントラル方式を採用していて、日本もこのセントラル方式での洋上風力発電事業支援について検討している。