初めて目にする太陽の南極。明るく揺らめく大気は摂氏百万℃にもなる。暗く沸き立つ冷たいガス。それでも温度は数千℃。欧州宇宙機関の太陽探査機がこれまででもっとも接近して撮影した映像は太陽の成り立ちを知る手がかりになる。地球からだと明るい円盤にしか見えない太陽。しかし、宇宙望遠鏡で観測すると表面の地場がどう動くと太陽フレアなどが発生するかまで分かる。これまで地場の動きが把握できなかったのは太陽の北極と南極が観測できなかったから。それが出来るようになる。新たな研究によって科学者たちは太陽の激しい活動を予測できるようになる。横川氏は「今回の欧州宇宙機関の太陽探査機は軌道の角度を変えながら太陽の南極や北極を直接観測しようとしている。探査機の狙いは南極や北極の様子を様々な機器で観測することで、太陽の地場の状況を分析すること。これによって太陽フレアといった太陽で発生している現象の仕組みの解明や太陽の活動は人工衛星や通信インフラのどのような影響を与えるか予測する宇宙天気予報の精度の向上が期待されている。」