イスラエルのガンツ前国防相が9日、戦時内閣を離脱すると発表した。ガンツ前国防相は9日、会見で「ネタニヤフ首相は、我々が真の勝利を達成するのを妨げている」と述べ、戦時内閣からの離脱を表明した。ガンツ氏はまた、「信頼され、課題を克服する政府が必要だ」として、ネタニヤフ首相に総選挙の日程を決めるよう求めた。さらに、人質の家族に対し、「我々は失敗した。責任は私にもある」と謝罪した。ガンツ氏は、パレスチナ自治区ガザ地区での人質解放や戦後の統治計画を示すようネタニヤフ首相に求めていた。「8日までに応じなければ戦時内閣から離脱する」としていたが、イスラエル軍による人質奪還作戦の成功を受けて8日の会見を中止していた。ガンツ氏は野党の党首でありながら、去年10月、イスラム組織ハマスと戦うため挙国一致政権の樹立に同意し、ネタニヤフ氏、ガラント氏と共に戦時内閣に参加していた。中道野党を率いるガンツ氏は国民の支持もあり、穏健派として一定の歯止めになってきたため、ネタニヤフ政権が不安定化する恐れも指摘されている。一方、戦闘休止と人質解放をめぐるイスラエルの新たな提案について、政権内の極右勢力が不満を強めていて、ネタニヤフ首相は、ますます孤立の度合いを深めている。