ハマスの襲撃により人質となった女性と解放を求め動く家族に密着した映画「ホールディング・リアット」。その親族であるブランドン・クレーマー監督は、カメラ越しに様々な心の葛藤を見たという。娘・リアットさんの解放を訴えるため、父・イェフダさんがアメリカの議会を訪れた場面では、愛する家族の解放を求める思いが、ハマスとの戦闘を継続する理由として利用されるかもしれないと、葛藤していた。パレスチナ人との共存を基本的な理念に持っていたイェフダさん。彼にとってイスラエルはパレスチナ人と共存する空間だったと、クレーマー監督は話す。娘がハマスの人質になった時、イェフダさんの思いが溢れ出た。ネタニヤフ政権以降に生まれた世代の若者は、イェフダさんと異なる価値観を抱いているという。イェフダさんと孫のネッタさんが、娘・リアットさんが解放された後のことを話し合っている場面では、パレスチナの人々との共存を訴えるイェフダさんと、許すことができないネッタさんとの間で意見が対立。世代によって異なる価値観を持っていることが浮き彫りになった。クレーマー監督は、こうした異なる価値観を持つ者同士が対話をして共感することが、和平への第一歩だと語る。ハマスの襲撃を経てイェフダさんが再認識した和平への思い。こうした反戦を訴える国民の声は、今後イスラエルにどのような影響をもたらすのか。
