素粒子の1つ、ニュートリノについてヨーロッパなどの国際研究チームはこれまでの観測を大きく上回る過去最高のエネルギーを持つものを検出したと科学雑誌のネイチャーに発表した。研究チームはイタリア南部シチリア島近くの地中海の水深およそ3500メートル付近に検出器を設置し物質を構成する最も基本的な粒子である素粒子の1つ、ニュートリノの観測を行った。その結果、おととし2月に推定でおよそ22京電子ボルトという高いエネルギーを持つニュートリノが宇宙から地球に飛んできたことを示す信号を検出したということだ。このエネルギーはこれまで観測されたニュートリノのおよそ30倍で過去最高だった。このニュートリノは銀河系の外から飛来した可能性が高いものの詳しい発生源やこれほど高いエネルギーを持つことになったメカニズムは分かっていないということだ。ニュートリノは物質をすり抜けて飛ぶ性質があり宇宙の遠く離れた場所で起きた天体現象を調べる手がかりとして注目されていて研究チームは今後も観測を続けることにしている。