大和証券キャピタルマーケッツアメリカの矢澤さんに話を聞く。大手金融機関の決算について矢澤さんは「堅調な内容を想定している。FRBのデータを見ると、大手銀行、中小銀行ともに預金残高は安定している。大手銀行では大口定期預金への移行トレンドもペースダウン。先週の雇用統計やCPIが市場予想を上回ったことなどから利下げ期待が後ズレしており、準金利収入の上振れ要因となる。JPモルガン・チェースやウェルズ・ファーゴは前回の決算で慎重な見通しを示したいたこともあり追い風になる見込み。投資銀行部門では社債の発行が増えていることの恩恵が想定される。1-3月期の投資適格債の発行額は2020年の低金利以来の水準に回復。M&Aや株式発行は回復が遅れていてまちまちの状況。オフィス向け融資における大手銀行の存在感は小さく影響は限定的。ウェルズ・ファーゴなどはここ数四半期でオフィス向けローンなどの貸し倒れ引き当て率を引き上げてきたがそのペースが鈍化。積み上げてきた引当金がいつ取り崩しに転じるのか市場は注目している」などと述べた。