映画「ANORA アノーラ」。ニューヨークで暮らすセックスワーカーのアノーラが、ロシア人の御曹司と恋に落ち結婚。2人の恋をコメディチックに映し、格差や差別に抗う主人公を描いた物語。先週のアカデミー賞では、作品賞を含む5部門を受賞。その内4部門をショーン・ベイカー監督自身が獲得した。ウォルト・ディズニー以来、71年ぶりの快挙を果たした。ベイカー監督の映画には共通のテーマ、「弱者やマイノリティー」がある。新作では、セックスワーカーの主人公を通し、資本主義社会で搾取に抗う姿を描く。御曹司とセックスワーカーの恋は、現実社会の格差を浮き彫りにする。物語の終わりはあえて現実に引き戻すような終わり方にしたという監督、そこには作品を通じて人々に考えてもらい議論につながればいいという思いが込められている。