セブン&アイホールディングスが、カナダのコンビニ大手から買収提案を受けた。発表によると、買収提案をしたのはカナダでコンビニやガソリンスタンドなどを手がける「アリマンタシォンクシュタール」。これを受けてセブン&アイは、社外取締役のみで構成される特別委員会を設置して、すでに検討を始めているという。仮にグループ全体を買収する場合、買収額は少なくとも5兆円以上の規模に上るとみられ、セブン&アイは「企業価値を向上させるほかの選択肢とともに、慎重かつ網羅的に速やかに検討し返答する予定」としている。買収を提案した会社「アリマンタシォンクシュタール」は、本社はカナダのケベック州にある。コンビニのブランド名は「サークルK」などで、カナダや米国、ヨーロッパなどおよそ30の国と地域で事業を展開。従業員の数はおよそ15万人で、売り上げの規模は692億ドル(およそ10兆円/ことし4月期決算)。ちなみにセブン&アイホールディングスのグループ全体の売り上げは11兆4000億円余(ことし2月期決算)。カナダの会社は「両社の顧客と従業員、加盟店や株主に利益をもたらし、互いが合意できる取り引きにつなげることに注力している」とコメントを出している。買収提案を受けたセブン&アイは、今の時点で提案を受け入れるかどうかは決定していないとしているが、設置した特別委員会ではすでに検討を始めている。特別委員会を作るというのは国のガイドラインに沿ったもので、会社が買収提案を受けた場合は、原則として速やかに取締役会で審議するか、取締役会への報告をすべきだとしている。セブン&アイの特別委員会は、すべて社外取締役のみで構成される。過去にあった外資系の流通大手が日本企業を買収するケースについて。米国のスーパー「ウォルマート」が西友と資本提携し、その後、完全子会社化した。大量に仕入れた商品を低価格で販売する米国方式を取り入れるも競争が激しく、結局ウォルマートは西友の株式の85%を売却した。ほかにもフランスのスーパー「カルフール」など何社か日本に進出した企業があるが、すでに撤退している。消費者の好みや商習慣が違う日本市場は攻略が難しいという声もあるが、日本を代表する流通グループへの買収提案が今後、どう展開していくのか注目。