- 出演者
- 辻浩平 藤重博貴 酒井美帆
オープニング挨拶。
東南アジアについて。トランプ関税をめぐり、各国様々な対応に追われる現状。
マレーシアで開かれたASEAN=東南アジア諸国連合の首脳会議。地域経済や安全保障などについて議論が交わされる中、焦点の一つとなったのがミャンマー情勢。今年3月に大地震が起きた後も実権を握る軍と民主派勢力側との間で戦闘が続いているとみられている。会議で各国はミャンマー側に対し、ASEANと4年前に合意した暴力の即時停止などを改めて求めた。3月の大地震からの復興を含めた継続的な人道的な支援の確保に向けて具体的な行動を促したという。ミャンマーは4年前のクーデター以降、国際的に孤立する中、大地震への対応などを理由にASEAN各国から支持を取り付け、軍が民主派勢力側との戦闘で優位に立てるようにする狙いがあったという。議長国のマレーシアのアンワル首相は近く、ミャンマーに特使を派遣して軍と民主派勢力の双方と会談し、事態打開に向けた取組を加速させたいという考えを明らかにした。アンワル首相は先月、ミャンマー軍のトップと会談したほか、民主派勢力の幹部とオンラインで対話している。
アメリカ・メリーランド大学の卒業式。祝辞を述べたのはセサミストリートのキャラクター、カエルのカーミット。カーミットの生みの親はこの大学の卒業生。
1912年に沈没した豪華客船「タイタニック号」。事故の前に船内で書かれた手紙がオークションにかけられた。書いたのは生存者の1人で、一等客室の乗客だったアメリカ人資産家。落札価格は約5700万円。
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アメリカ・ミシガン州にある書店。同じ街の別の建物に移転することになったが、9000冊以上ある本を梱包し移動させるのは大変。店主がSNSで助けを呼びかけると、約300人が駆けつけ、歩道に並んで1冊ずつ本を手渡し。2時間ほどで全ての本を新店舗まで運ぶことができた。
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「BLACK LIVES MATTER」運動から5年。一部の都市では警察改革が進んだ。警察官にボディーカメラの着用を義務付けたり、首を絞める行為を禁止したりした。しかし、アメリカのメディアは「トランプ政権下で逆戻りしている」と指摘している。先週、アメリカ司法省による象徴的な動きが2つあった。ミネソタ州・ケンタッキー州の都市の警察改革の合意破棄。警察による黒人に対する過剰な力の行使があったとされる6つの地域の警察への調査を打ち切るとした。「黒人を取り巻く環境が改善したか」(ピュー・リサーチセンター調べ)について、2020年9月は「変化につながる」と答えた人が52%、「変化につながらない」と答えた人が46%が、2025年2月は「変化をもたらした」と答えた人が27%、「変化をもたらさなかった」と答えた人が72%だった。事件を受けて、アメリカではDEI“多様性の推進”が加速した。ニューヨーク・タイムズはマクドナルド、アマゾン、ウォルマート、メタなどが“DEIを縮小させている”と報じている。
OPECと非加盟の産油国で作るOPECプラスは一部の国が来月1日の会合で7月の原油生産の方針を決める見通し。原油価格は先月、約4年ぶりに60ドル台を下回るなど比較的低い水準が続いている。背景にはトランプ政権の関税政策による景気減速懸念がある。背景として注目したいのがOPECプラスが4月以降原油の増産方針を維持していること。1つがOPECプラスを主導するサウジアラビアがトランプ大統領に配慮しているのではないかという見方。トランプ大統領は今月13日、サウジアラビア・ムハンマド皇太子と会談、経済的結びつきを強化。トランプ大統領は米国内で強まるインフレ懸念を抑え込むため以前から原油価格引き下げを要請。サウジアラビアは米国から軍事支援を受け中東で軍事的優位性を維持したいため貸しを作ろうと増産を続けているのでないか。
今月12日、米中は互いの追加関税を115%引き下げることで合意、一部の関税を90日間停止し協議を進めることに。中国発アメリカ行きコンテナ予約数(出典:VIZION)を見ると米中合意の今月12日から18日までの1週間平均が1日3万1934個。合意前の週と比べ4.2倍増。アメリカが中国からの輸入に依存している品目で増加が目立っている。この先、米中協議がまとまるかは予断を許さない状況。
アメリカの東南アジア各国への相互関税(一時停止中)はベトナム46%、タイ36%、インドネシア32%、マレーシア24%、カンボジア49%。アメリカは、その後相互関税の措置90日間停止するとしたが、その期限は7月上旬。東南アジア各国の4月アメリカ向け輸出額(前年同月比)はベトナム34%上昇、マレーシア45%上昇、タイ23%上昇と大幅増加(出典:各国政府)。
46%の相互関税が示されているベトナム。縫製工場はベトナムの主力産業の1つで約300万人が従事。最大の輸出先が約4割を占めているアメリカ。縫製工場は生産能力を引き上げ、相互関税の一時停止期限(7月上旬)までになるべく多く輸出したい考え。縫製会社・グエンスアンズオン社長は「価格が上がりアメリカ市場が縮小すると予想している。ロシアなどに市場をシフトすることを検討している」などとコメント。
7月上旬の相互関税の本格導入を前に、東南アジア各国では駆け込み輸出だけではなく、水面下で様々な戦略を打ち出している。ベトナムではあの手この手でトランプ政権との交渉を進めようとするなど各国が対応に追われている。ベトナムの首都ハノイに隣接するフンイエン省でベトナム政府は今月、ゴルフ場を中心としたリゾート開発計画を承認した。開発を手掛けるのはトランプ大統領の一族企業「トランプ・オーガ二ゼーション」で、投資額は15億ドルの巨額事業。21日現地で行われた起工式には副社長で大統領の息子のエリック・トランプ氏も出席した。フンイエン省は最高指導者、トー・ラム共産党書記長のふるさとだけに、今後の関税交渉を見すえた動きとの見方もある。ほかにもアメリカからのLNG(液化天然ガス)の購入量増加を表明、格安航空会社が「ボーイング」から旅客機の追加購入を決めたりするなどして交渉を進めようとしている。アメリカから36%の相互関税が示されたタイでは、政府庁舎前でトランプ関税をめぐって抗議活動が起きている。アメリカ産牛肉の輸入拡大を検討していると伝えられているタイ政府に、食肉用の牛を飼育する農家が、主要産業の製造業の輸出を守るため交渉カードの1つにされていると危機感を募らせている。タイ東北部からデモに参加したアカワットさんは自家製の飼料にこだわり質の高い肉を生産してきた。アメリカ産牛肉にかけられている最大50%の関税が引き下げられれば、タイ国内に大量に出回り経営が立ちゆかなくなると懸念を強めている。アジア総局の加藤は「各国は相互関税で高い税率を突きつけられただけに、まさになりふり構わぬ姿勢で交渉を展開している」、「新たな貿易パートナーを模索する動きも出ている。候補の一つがEU(ヨーロッパ連合)」などと述べた。マレーシアの首都クアラルンプール近郊にある農園ではパーム油の輸出拡大に向けた取り組みが始まっている。パーム油はマレーシアの主要産品の一つ。今年1月にEUとのFTA交渉の再開を12年ぶりに決定した。定期的に衛星画像を確認し、森林破壊が行われていないか監視している。EUの環境規制をクリアすることで輸出拡大につなげる狙いで、FTAの締結にも期待を寄せている。パーム油生産会社幹部は「我々のような持続可能性を重視する企業にとってEUへの輸出がしやすくなるチャンス」などと述べた。加藤は「今まさに存在感を強めているのが中国」、「EUだけではなく日本や韓国、インドや中東の国々などとも経済連携を図ろうとしている」などと指摘した。
アメリカがEUに対し来月1日から課すとしている50%の関税について、トランプ大統領はEU側の求めに応じて7月9日まで期限を延長することに合意したことを明らかにした。EU・フォンデアライエン委員長とトランプ大統領が電話で協議。トランプ大統領はフォンデアライエン委員長が真剣な交渉に入りたい、速やかな解決に向けて取り組むと応じたとして、交渉の進展に期待を示した。EUから譲歩を引き出す狙いがあるとみられる。
トランプ大統領はアメリカに支配されるだろう、そうでなければ私は取り引きしないと述べる。日本製鉄について、とてもよい会社だ、どうなるかは分からない。しかしこれは投資であり部分的な所有権を持つことになると発言。来月5日の期限に向けて検討していることがうかがえる。アメリカメディアのブルームバーグによると、大統領が具体的に何を承認したのか、いまだに不確かな状況だと伝えている。今後は、日本製鉄にどれぐらいの株式の取得比率を認めるのかが焦点。
中国では景気の減速で消費への慎重な姿勢が目立つなか、上海の商業施設で日系企業20社が参加するイベントが始まった。日系企業は、食品、家電、スポーツ用品などを扱う会社が商品を販売している。大手電機メーカーは空気中の細かいペットの毛を効率的に吸い取る空気清浄機を紹介。商業施設を運営する日本の不動産大手の担当者は「日系の企業と少しでも消費を盛り上げていきたい」とコメント。
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アメリカ・トランプ大統領は記者団に非常に重要なことにイランとの間できのうときょう、とてもよい協議ができた。よいニュースがあるかもしれないと述べた。イランの核開発をめぐる協議で近く成果が得られることに期待を示した。
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あすの国際報道は、韓国大統領選、日韓関係の今後は。
エンディング。
「未完のバトン」の番組告知。