きょうは最終日のためゲスト2人に解説いただく。テーマは「2023年の株式・為替相場 振り返り」。今年の年初は130円台で始まり、1月中旬に127円台まで下落、その後円安が進み、11月には151.90円台まで上昇したが、来年の日米の金融政策の転換をにらみ現在は141円台で推移。唐鎌さんは「今年最初の放送で『金利差に伴うドル全面高が解消しても貿易赤字に象徴される円全面安は残るのでは』と話しました。振り返るとFRBの利上げ停止と利下げ示唆まで踏み込まれていたが結局140円は割れていない。結果的には金利差に限定しないで需給も見た事が予想的には良かったと思う。日本の貿易収支は改善したことは間違いないが、2022年最悪だったものが2023年は最悪→悪いになったくらいでそんなに改善したわけではない。1月から11月を累積するとだいたい9.3兆円くらいの貿易赤字。これは歴史的見ると4位を更新しているし、12月の仕上がり次第では史上3番目の赤字になる。大きな貿易赤字を出しているときはだいたい円安位になっているので、需給面で見ると円安は起こるべくして起こったのではないかと思う。経常収支を見た時に統計上の数字にこだわるのではなく、統計上の数字も見ながら実際の実務上キャッシュフローで見るとどれくらい出ているのか。10月までみると統計上の累積では17.7兆円の黒字だが、キャッシュフローベースで見てみると2兆円程度の赤字。2024年の見通しを作る上で実務上の数字を見て作るのが良いと思う」などと話した。
今年の株式相場については西原さん。2023年の日経平均株価は日本株が強い1年で、年初来で30%近く上昇した。5月~7月はバブル後の高値更新が続いた。西原さんは「日経平均は世界の主要史上と比べてもナスダックに次いで高いパフォーマンス。また、過去を振り返っても2013年のアベノミクス以来10年ぶりの上げ幅ということで快挙というようなパフォーマンス。今年は個人は売り越したが、海外投資家が6兆円買い越しており、世界が日本株を評価して支えたという1年だったと思う。日本株が大きく上昇した4-6月を着目すると、4月にウォーレン・バフェットさんが来日して日本株が大きく世界で着目されたことはあったが、それだけではなく背景にはいくつかの要因があった。3つのマクロ環境と2つの構造変化があったとみている。マクロ環境の変化は、アメリカの金利上昇と対照的な日米の金融政策・円安の3つがあった。1つ目の金利上昇については、日本株はバリュー株が多いので総じて日本株に追い風だったと思う。2つ目の対照的な日米金政策については、春の時期は7月のYCCの修正前だったので、アメリカが引き締め・日本は緩和ということで世界から見て日本株に追い風が吹いている=有利と映ったのではないかと思う。3つ目は外需企業に業績のサポート材料になったということがあった。あとはこの3月に春闘で30年ぶりの賃上げの方針が出されたことが大きかったと思う。あとは東証の要請を受けて企業が株主還元拡大のみならず事業の見直しなど様々な改革・行動変化を起こしたことが世界の投資家を動かすきっかけになったと思う。8月以降はFRBの追加利上げへの警戒感が高まった。11月下旬以降は利下げ期待からアメリカ株が大幅に反発したのでついていけないところもあったと思う。国内に目を向けても賃金上昇がインフレ率に追いつかず、実質賃金が減少してしまったことが構造変化への海外投資家の期待も若干後退させるようなことになったと思う。ただ、この点は再び高まりつつある。(セクター別では)アメリカのハイテク株が強かったので、日本のハイテク株が大きく上昇した。また、自動車株は円安と挽回生産が重なったし、金融政策は政策の正常化期待から上った。電気・ガス・食品などの価格転嫁が進んだセクターやバリュー株、全般的に上昇したと思う」などと話した。
今年の株式相場については西原さん。2023年の日経平均株価は日本株が強い1年で、年初来で30%近く上昇した。5月~7月はバブル後の高値更新が続いた。西原さんは「日経平均は世界の主要史上と比べてもナスダックに次いで高いパフォーマンス。また、過去を振り返っても2013年のアベノミクス以来10年ぶりの上げ幅ということで快挙というようなパフォーマンス。今年は個人は売り越したが、海外投資家が6兆円買い越しており、世界が日本株を評価して支えたという1年だったと思う。日本株が大きく上昇した4-6月を着目すると、4月にウォーレン・バフェットさんが来日して日本株が大きく世界で着目されたことはあったが、それだけではなく背景にはいくつかの要因があった。3つのマクロ環境と2つの構造変化があったとみている。マクロ環境の変化は、アメリカの金利上昇と対照的な日米の金融政策・円安の3つがあった。1つ目の金利上昇については、日本株はバリュー株が多いので総じて日本株に追い風だったと思う。2つ目の対照的な日米金政策については、春の時期は7月のYCCの修正前だったので、アメリカが引き締め・日本は緩和ということで世界から見て日本株に追い風が吹いている=有利と映ったのではないかと思う。3つ目は外需企業に業績のサポート材料になったということがあった。あとはこの3月に春闘で30年ぶりの賃上げの方針が出されたことが大きかったと思う。あとは東証の要請を受けて企業が株主還元拡大のみならず事業の見直しなど様々な改革・行動変化を起こしたことが世界の投資家を動かすきっかけになったと思う。8月以降はFRBの追加利上げへの警戒感が高まった。11月下旬以降は利下げ期待からアメリカ株が大幅に反発したのでついていけないところもあったと思う。国内に目を向けても賃金上昇がインフレ率に追いつかず、実質賃金が減少してしまったことが構造変化への海外投資家の期待も若干後退させるようなことになったと思う。ただ、この点は再び高まりつつある。(セクター別では)アメリカのハイテク株が強かったので、日本のハイテク株が大きく上昇した。また、自動車株は円安と挽回生産が重なったし、金融政策は政策の正常化期待から上った。電気・ガス・食品などの価格転嫁が進んだセクターやバリュー株、全般的に上昇したと思う」などと話した。