今回の欧州議会議員選挙で右翼政党や極右が躍進した背景には、ロシアの存在が指摘されている。ロシア側が欧州議会の議員を金銭で買収し、ロシアのプロパガンダを広めようとした疑いが浮上している。欧米メディアによると、チェコを拠点とする親ロシア派のニュースサイトが、欧州議会議員に報酬を支払い、サイトへの出演を依頼していた。出演した議員は「ロシアとの戦争が起きたのは『ウクライナのせいだ』」などと発言した。
フォンデアライエン欧州委員長は、2019年から女性初の欧州委員長を務めている。欧州議会の最大会派「欧州人民党」を率いている。フォンデアライエン欧州委員長は欧州議会選挙後、イタリア・メローニ首相が率いる右派政党の議員が所属する右派「欧州保守改革」と、協力する可能性を否定していない。フォンデアライエン欧州委員長は「メローニ氏は明らかに親欧州派で、プーチン大統領に反対している。そうであるならば協力することを提案する」と話した。メローニ首相は出てきた頃は極右とされてきたが、イタリアの首相に就任後、EUの方針に従い、ウクライナへの支援も行っている。「イタリアの同胞」は極右政党と言われるが、ソフト路線に転じたという見方もできる。中道左派「欧州社会民主進歩同盟（S＆D）」は、フォンデアライエン欧州委員長がメローニ首相と協力するならば、欧州委員長の続投を阻止するとしている。増田は「今回は欧州議会選挙だったので関心は自国の選挙の関心ほど強くはなかった。そうすると、陸橋的に指示する人たちが投票に行くため、右側の人たちが伸びるのは必然だと思う」などとコメントした。