ロシアはアメリカとの協議に応じる姿勢を示しつつも、慎重に対応を検討しているとみられる。ロシア大統領府・ペスコフ報道官は12日、アメリカとウクライナが発表した共同声明の内容について、注意深く精査しているなどと述べ、近くプーチン大統領とトランプ大統領の対話が行われる可能性を示唆した。また、トランプ政権が派遣したウィトコフ中東担当特使がモスクワに向かうという報道もあり、アメリカ側との水面下での調整が進められるものとみられる。一方、ロシアの外交筋はウクライナ軍が越境攻撃を続けるクルスク州から撤退しない限り、ロシア側は停戦協議には応じないとアメリカ側に伝えていると話している。ロシアはクルスク州をめぐって自ら奪還するか、ウクライナ軍が撤退するまで攻撃を止めるつもりはない。ロシアとしては協議に応じる姿勢を示すことで“停戦を拒んでいるのはロシアだ”という批判が広がるのをかわしつつ、停戦協議に入った場合、主導権を握り、ウクライナ側に自分たちの要求を最大限に認めさせるため、クルスク州の奪還を急ぐものとみられる。