トランプ政権がICCへの圧力を強める中での「サハロフ賞」授与の発表となった。今回の決定についてヨーロッパ議会のメツォラ議長は「EUは多国間主義と国際機関の尊重を基盤としており、今回の賞は国際法と正義を守るという裁判所の重要な任務を評価するものだ」として国際司法機関の独立性を支持するという明確なメッセージを発したこととなる。ICCはロシアのプーチン大統領やイスラエルのネタニヤフ首相などに逮捕状を出し、ロシアやアメリカなどの大国が反発してきた。「力による支配」ではなく「法の支配」による国際秩序を重視するというヨーロッパの価値観も示したこととなる。EUはICCがトランプ政権を制裁対象にしたことを受け、第3国が決定した制裁措置にEU域内の企業などが従うことを禁止する「ブロッキング規則」の適用に向けた準備も進め、アメリカとの対話の状況を見ながら判断する見通し。サハロフ賞授与の発表を受け、ICCの赤根智子所長は「ICCやその職員が制裁など前例のない課題に直面する中での受賞となる。扮装が増えているこの世界において正義なくして平和はなく、法なくして安全はない」などとコメントしている。今月9日にはICCの裁判官を務めたナビ・ピレイ氏が今年のノーベル平和賞に選ばれた。ウクライナやガザ、イランなど混沌とした国際情勢が続く中、戦争犯罪やジェノサイドなどに関わった個人を追求する裁判所としてのICC、法の支配による国際秩序への国際社会の関心が高まっている。
