オリンピックを目前に控えたフランスが揺れている。日本時間の午後3時から始まった国民議会選挙の決選投票。予測ではマクロン大統領が率いる与党連合が第三勢力に縮小。移民の規制強化などを訴える極右政党「国民連合」が史上初めて第1党になると予測されている。サッカー界のスーパースターが異例の呼びかけ。フランス代表・エムバペは、国民連合に対し反対の立場を表明した。背景にあるのは庶民に寄り添う政策。なぜ第1党になるほど国民連合が支持を広げているのか。ロシアによるウクライナ侵攻などの影響で、この2年で光熱費が2倍近くになったという。国民連合が訴える光熱費の3〜4割減額や、年金改革の見直しなどの政策に期待を寄せている。野党の躍進が起きているのはフランスだけではない。先日行われた英国の総選挙では最大野党「労働党」が単独過半数を獲得。スナク首相の率いる与党保守党が歴史的な惨敗をし、14年ぶりの政権交代となった。一方で富裕層の税制面での優遇が見直される流れに反発の動きも。イランでも5日に大統領選挙が行われ、現政権の保守強硬派の候補を破り、改革派のペゼシュキアン氏が勝利している。欧米との対立から対話へと転換し、悪化する経済の立て直しを目指していくものとみられる。フランスや英国で起きている野党の躍進。背景には大きな共通点があると経済の専門家は分析している。