中米・エルサルバドルは長年世界一治安の悪い国とされてきたが、ここ数年で劇的に改善した。それを主導したのがブケレ大統領。エルサルバドルでは大統領選が行われるが再選が確実視されている。ブケレ大統領はSNSで積極的に情報を発信していて、自らを世界一クールな独裁者と書き込み、国連総会の壇上で自撮りをしたことも。最も成果を上げているのが治安対策。就任前人口10万人あたりの殺人事件の件数は世界最悪の51人だったが、米大陸で2番目の低さまで改善させた。ブケレ大統領はギャング取締りの徹底で逮捕状無しでメンバーの拘束を可能にした。佐伯敏は、警察のギャングの掃討作戦に同行した。掃討作戦は2大ギャングの一つが支配するスラム街で行われた。これまでに人口の1%を超えれる約7万5000人が拘束されたとされ、4万人を収監できる刑務所を新たに建設した。一方でえん罪を訴える人も少なくない。ギャング支配地域に住むレイナルド・サントスさんは、おととし21歳の息子が逮捕状を示されず拘束された。家族が拘束された人たちを支援する市民団体の代表は「こうした措置は人々の恐怖の心理につけ込んでいる 人々はブケレ大統領がいなくなれば犯罪者が再び街にのさばると恐れている」と話した。4日エルサルバドル大統領選投票。