アウシュビッツの生存者・トバ・フリードマンさんは「風が強い氷点下の日、小さな女の子たちが泣きながら、震えながら、ガス室へ連れて行かれるのを立ち尽くして見ていた」などと話した。1945年1月27日、アウシュビッツの強制収容所から解放されたフリードマンさんは、当時6歳だった。ヒトラー率いるナチスドイツによって強制収容された人々は、腕に奴隷番号が刻まれた。強制労働が行えない者は全員粛清される運命にあり、病人や高齢者、妊婦はすぐにガス室に送られた。こうして約110万人が虐殺され、うち100万人がユダヤ人だったという。ポーランドで27日に行われたアウシュビッツ解放80年の追悼式典には、生存者が出席し、それぞれが強い思いを明かした。フリードマンさんは「私たちには記憶しておくだけでなく、警告し伝える義務がある。これは非常に重要なこと。憎しみはさらに憎しみを生み、殺戮はさらに殺戮を生む」と語った。式典にはイギリス・チャールズ国王をはじめ、各国首脳、ヨーロッパの王族も出席した。式典の後、チャールズ国王はイギリスの現役君主として初めて、アウシュビッツを訪問した。