ノルウェーの首都・オスロで10日、ノーベル平和賞の授賞式が行われた。受賞した日本被団協を代表して田中熙巳さんが「一発の原子爆弾は私の身内5人を無残な姿に変え一挙に命を奪いました。人間の死とはとても言えないありさまでした。戦争といえどもこんな殺し方、こんな傷つけ方をしてはいけないと、私はそのとき強く感じたものであります」「核兵器は一発たりとも持ってはいけないというのが原爆被害者の心からの願いであります」などと演説し、核兵器の廃絶を訴えた。10日の授賞式では、日本被団協を代表して田中熙巳さんが演説を行い、被爆体験から核兵器の非人道性を強調した。その上で、「核兵器は人類と共存できない」として、核兵器廃絶を改めて訴えた。また、被爆者の高齢化が進んでいることから、核兵器廃絶にむけた運動を次世代が引き継いでいくことに期待を寄せた。演説後には会場からスタンディングオベーションを受け、授賞式後に田中さんは「私も感動した」と受賞の喜びを語った。