- 出演者
- 宮根誠司 藤本万梨乃 能勢博 鈴木悠 宮崎謙介 山崎怜奈
この週末に東京都江東区で行われた、世界最大級の同人誌イベント「夏のコミックマーケット」(通称「コミケ」)。2日間で約25万人が来場し、開場は熱気に包まれた。きょうの都心の最高気温は34.8℃で熱中症警戒アラートが発表される中、コスプレイヤーの撮影会が行われていた。お盆休み最終日のきょうは全国127地点で猛暑日を記録し、日本で最も気温が高かったのは埼玉県鳩山町で37.9℃だった。
この日の夕方、東京都新宿区の歌舞伎町では4回目となる「歌舞伎町BON ODORI」が行われた。定番の曲だけではなく、ロックやポップスも流れる令和の盆踊りで、外国人観光客も参加し楽しんでいた。
先月医学誌の「米 予防医学ジャーナル」に、これまでの定説を覆すある研究結果が掲載された。厚生労働省のホームページでは「『1日1万歩』の歩数を確保することが理想と考えられる」と推奨されているが、論文には「1日15分の速歩きが死亡リスクを約20%低下させる。一方、3時間以上ゆっくり歩いても効果は限定的」と書かれていた。今、最先端の研究が生み出した日本初の歩き方「ジャパニーズ・ウオーキング」が、健康寿命が延びると世界で注目を集めている。さらに歩くことをめぐり、シューズ業界でも革命が。
その昔、人間は1日2万歩以上歩いていたと言われている。文明の発達とともにその歩数は年々低下し、おととしのデータでは日本人の1日あたりの歩数は男性6628歩、女性5659歩だった(厚労省 2023年ん「国民健康・栄養調査」より)。書籍「歩く マジで人生が変わる習慣」はことし2月に発売し、6万部を突破しているという。米アップル社CEOのティム・クック氏は「座ることは新たな癌である」と発言し、大きな注目を集めた。テクノロジーが発達した今だからこそ、歩くという行為の大切さを見直す必要があるのではないか。
オープニング映像が流れ、出演者が挨拶をした。
フェイスブックやインスタグラムなどを展開するMetaの本社には、屋上に遊歩道が作られている。共同創業者のマーク・ザッカーバーグが遊歩道を作ったわけは、歩きながら会議をするためだといわれている。アップル共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏も、歩きながら重要なビジネスの意思決定をしていたという話がある。アメリカのスタンフォード大学で行われた実験では、お題を座って考える場合と歩きながら考える場合で比較したところ、歩きながら考えた方が平均1.6倍の点数を獲得した。イリノイ大学などの研究では、1年間ウオーキングを行うグループとストレッチを行うグループに分け脳の海馬の変化を調査したところ、ウオーキングのグループでは海馬が大きくなっていた。つまり歩くことで脳を若返らせる事ができるという。
目薬などで知られるロート製薬では、オリジナルの測定器で社員の歩数と速歩きの時間等を計測している。連動するアプリでは全従業員の順位も表示される。エネルギー事業などを展開するグリーンエナジー&カンパニーでは、去年からウォーキングミーティングを導入。採用戦略や営業の方針も歩きながら話し合うことがあるという。サントリーHDでは、世界30カ国以上の従業員が参加するウォーキングイベントを実施。全日空では年に2回、1日平均8000歩を目指すウォーキングイベントを行っているという。
今年7月の「ワシントン・ポスト」紙の記事に、「わずか1日30分の“ジャパニーズウォーキング”健康維持に期待」という記事が掲載され、「この歩行法は睡眠の質、認知機能、うつ病にも効果がある」と紹介された。さらに海外のSNSでは、“ジャパニーズウォーキング”を紹介する動画が数多く投稿されていた。ジャパニーズウォーキングの研究チームを率いる信州大学スポーツ医科学の増木静江教授は、「開発されたのは20年近く前」などと語った。日本の海外向け医療番組で紹介されたことで、今年一躍注目を浴びたという。当時研究チームが目指したのは、定説となっていた1日1万歩の健康効果の実証だった。しかし1日1万歩では体力が上がらず、生活習慣病指標もほとんど改善しなかったという。その後の研究で明らかになったのは、定説を覆す“健康にいい歩き方”だった。
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世界から注目を浴びる“ジャパニーズウォーキング”は、ゆっくり歩きと速歩きを交互に繰り返す「インターバル速歩」。まずは3分間ゆっくり歩き、その後3分間速歩き。1日5セット、30分間を週4日おこなうことが推奨されている。速歩きの3分間は、自身が出せる全速力のスピードの7割以上で歩くことが推奨されている。多くの人にとって長時間高い強度で運動を続けることは難しく、3分間がボーダーラインだという。中高年層を対象に週4回のインターバル速歩を5カ月間行った実験結果では、何もしないグループに比べ血圧が大幅に低下した(米「メイヨークリニック」より)。さらに生活習慣病の原因や認知機能が約20%改善されることもわかったという。
「インターバル速歩」は「3分間のゆっくり歩き」と「3分間の速歩き」を5セット(30分間)週に4回行うことを推奨している。ポイントは速歩きを最高スピードの7割ほどの速度で行うこと。「インターバル速歩」の生みの親である信州大学医学部の能勢博特任教授は、「速歩きは3分以上できない。ゆっくり歩きを挟むと息切れも収まってくる」などとコメントした。
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「歩く」の新常識は、歩き方だけにとどまらない。アメリカのある靴メーカーは、ランニングシューズで有名ブランドがひしめく人気シューズランキング(Running USA調べ)に食い込み、急成長しているという。
「ベアフットシューズ」は裸足のような感覚で歩ける靴。一般的なスニーカーは推進力を得るため、かかとがつま先より高く設計されている。ベアフットシューズは不思議な履き心地に戸惑うこともあるが、「頑張れる分しか頑張らせてくれない」というメリットがあるという。中でも注目を集めるアルトラは徐々に売上をのばし、去年アメリカの大会で人気だった2024年北米人気シューズランキングで、有名ブランドがひしめく中10位に食い込んだ(Running USA調べ)。アルトラは2009年にアメリカで誕生したシューズブランドで、その靴には2つの大きな特徴があるという。一般的な靴はつま先にかけて細くなっているが、アルトラは「フットシェイプ」設計でつま先が広がっている。つま先に余裕ができることで指が自由に動き、土踏まずが自然なアーチになるという。
注目を集めるシューズメーカー「アルトラ」の2つ目の大きな特徴は、「ゼロドロップ」。つま先とかかとの厚さの差を「ドロップ」といい、普通のウォーキングシューズであれば大体約10mmのところアルトラは0mm。足裏全体が地面に着くことで、裸足に近い自然で正しい姿勢を作れるという。
スタジオでベアフットシューズを体験。宮根誠司は「足の指がものすごく意識できる」などとコメント。信州大学医学部の能勢博特任教授は「後ろ足で蹴って体重移動をスムーズにしている」などとコメントした。
つま先が広い「フットシェイプ」と、つま先とかかとの高さに差がない「ゼロドロップ」の2つの特徴を持つアルトラの靴。この靴を履くと体にどんな変化が起きるのか、足に特化した足病医療の総合病院で約20万人の足を診察してきた下北沢病院で実験した。一般的な靴とあるトラの靴で着地時の圧力を計測すると、あるトラでは指全体に力がかかっていることがわかった。また一般的な靴を履いて姿勢のチェックをすると前傾姿勢だったが、アルトラの靴では前傾姿勢が改善された。正しい姿勢で歩くことで大臀筋が使われ、ヒップアップ効果も期待できるという。一方一般的な疲れにくい靴は機能がサポートしすぎるあまり、本来の筋肉を衰えさせている可能性があるという。また一般的な靴では歩く時の着地時にヒザが曲がってしまうが、アルトラではヒザが伸びて接地した。本来は接地時にヒザが伸びるのが正しい歩き方だが、個人差があるという。
歩くことが注目を集め、靴のあり方まで変わりつつある今。経済ジャーナリストの池田光史氏は、「おそらくは、次の100年は人間の歩くという行為が主権を取り戻すまちづくりが主流になっていく」などと語った。