アメリカ・トランプ大統領は4月2日ごろから自動車に関税を課すことを検討していると表明した。対象となる国や関税率などは明らかにしていない。自動車を巡ってトランプ大統領は、1期目に日本との貿易が不公平だと主張している。今回、すべての国が関税の対象になれば、日本も打撃を受ける可能性がある。日本からアメリカに輸出される品目の中で、去年1年間で金額が最も大きかったのが自動車。6兆261億円で輸出額全体の28.3%。自動車部品と合わせると、輸出額全体の30%以上を占めている。こういった自動車や自動車部品に対するアメリカの関税は、多くの場合、2.5%で、仮に引き上げられることになれば、関係する企業は、大きな影響を受けることが予想される。専門家、伊藤忠総研・深尾三四郎エグゼクティブフェローも、仮に日本も対象になれば、特にアメリカ市場への依存度が高いものの現地生産が進んでいない中堅メーカーは、影響が大きいと見られると指摘している。その上で、トヨタやホンダのようにアメリカに大きな生産拠点を構えているメーカーは、関税への対策として、「アメリカでの生産を増やそうとすることも考えられる」と述べた。一方、「多くの日本の自動車メーカーにとって、アメリカ市場に頼る経営戦略を見直す機会と捉えることもできる」として、「中国メーカーのシェアが高い東南アジアなど、グローバルサウスと呼ばれる成長市場で、日本メーカーの存在感を高めるための対策を進めていくことも重要だ」と述べた。