処理水の海洋放出による影響により、中国に輸出できなくなったホタテと生産業者を救おうという動きがある。ホタテの養殖がさかんな北海道・森町にある「カネキチ澤田水産」では、中国の日本産水産物の禁輸措置で250tのホタテ貝柱を倉庫に保管されたままになっている。去年、北海道から中国へのホタテ輸出量は過去最高を記録し、全体の輸出量の9割を占めていた。金額にして484億円にのぼる。「カネキチ澤田水産」では、中国に年間35億円のホタテを輸出していたが、7月ごろに商談がすべて止まり輸出がなくなった。こうした状況に、森町では余った10万食分のホタテを買い取り、全国の小中学校の給食に無償で提供する方針を固めた。町の水産業者を助けるのはもちろん、全国の子どもに森町のホタテの味を知ってもらおうという狙いがある。 町は、政府が風評被害対策として設けた上限1億円の補助金を活用する方針だという。臨時議会で可決されれば、早ければ年内に開始する予定だという。
処理水放出で風評被害が懸念された福島県いわき市。処理水放出から1か月が過ぎ、海産物の値崩れはないという。漁業関係者からは安堵の声が聞かれた。
処理水放出で風評被害が懸念された福島県いわき市。処理水放出から1か月が過ぎ、海産物の値崩れはないという。漁業関係者からは安堵の声が聞かれた。