カブールでは自国の産業をアピールするためタリバン暫定政権が大規模な見本市を開催。一際目を引いたのが中国との取り引きを深める企業。中国の新たな投資にも期待を示す声が聞かれ、中国は今外交面でもタリバンと関係を深めようとしている。アフガニスタンに新たな大使を派遣し信任状を提出。専門家からは、事実上タリバン暫定政権を承認したに等しいという声も上がった。タリバンへの接近の背景にあるのがアフガニスタンの地下資源。国内最大の銅鉱山とも言われるメス・アイナク鉱山は、前政権から中国企業が開発に関わってきたが、仏教遺跡が発見されるなどして開発停止。しかし今年タリバン暫定政権のもと保存方針が決まったなどとして開発が再開。先月には鉱山に繋がる新たな道路建設が始まり、中国大使が開発による経済効果をアピール。アフガニスタンに残る鉱山資源は1兆ドルに上るとも推定されている。中国はタリバンとの関係強化を通じ開発を有利に進める狙いがあると見られる。更に今接近を図っているとみられるのがロシア。1979年、旧ソビエトはアフガニスタンに軍事侵攻。イスラム勢力などの抵抗に遭い撤退。ロシアはその後結成されたタリバンを警戒しテロ組織に指定してきた。ところが、タリバンをテロ組織指定を解除することを検討していると伝えられている。その背景にあるとされるのが新たなテロの脅威があり、ロシアとしては国内でISの地域組織への脅威が高まる中、テロ対策の分野でタリバンとの協力を進めたい狙いがあるとみられる。タリバン側はさらに周辺国とも結びつきを強めようと、新たな交易ルートや物流拠点を整備することで発展の足掛かりにしたいと考えている。