- 出演者
- 栗原望 油井秀樹 酒井美帆
オープニング映像が流れた。
今日のラインナップ。スポットライトは、タリバンの復権から今日で3年となったアフガニスタン。タリバンに接近する中国とロシア、その思惑に迫るなど。
2021年8月、アフガニスタンで復権したイスラム主義勢力タリバン。アメリカ軍が撤退を進める中、各国も首都カブールから退避。大きな混乱が広がった。あれから3年、アメリカ軍の最大の拠点だったカブール近郊の基地ではタリバンが軍事パレードを実施。現地に残されたとみられる軍用車両なども姿を見せた。タリバン暫定政権で内相代行を務めるハッカーニ氏は国際社会に「かつてアフガニスタンの占領に関わったように発展にも協力すべきだ」などと呼び掛けた。ただ女性の権利の制限などを巡る国際社会の批判は根強く、暫定政権を承認した国は未だにない。アメリカはアフガニスタン中央銀行の資産凍結を継続。各国からの援助も滞り、経済の低迷も続いている。だがタリバンの報道官は先月「アフガニスタンはもはや孤立はしていない」と述べ国際社会との関係強化に自信を見せた。その背景にあるのが中国とロシアの接近。
カブールでは自国の産業をアピールするためタリバン暫定政権が大規模な見本市を開催。一際目を引いたのが中国との取り引きを深める企業。中国の新たな投資にも期待を示す声が聞かれ、中国は今外交面でもタリバンと関係を深めようとしている。アフガニスタンに新たな大使を派遣し信任状を提出。専門家からは、事実上タリバン暫定政権を承認したに等しいという声も上がった。タリバンへの接近の背景にあるのがアフガニスタンの地下資源。国内最大の銅鉱山とも言われるメス・アイナク鉱山は、前政権から中国企業が開発に関わってきたが、仏教遺跡が発見されるなどして開発停止。しかし今年タリバン暫定政権のもと保存方針が決まったなどとして開発が再開。先月には鉱山に繋がる新たな道路建設が始まり、中国大使が開発による経済効果をアピール。アフガニスタンに残る鉱山資源は1兆ドルに上るとも推定されている。中国はタリバンとの関係強化を通じ開発を有利に進める狙いがあると見られる。更に今接近を図っているとみられるのがロシア。1979年、旧ソビエトはアフガニスタンに軍事侵攻。イスラム勢力などの抵抗に遭い撤退。ロシアはその後結成されたタリバンを警戒しテロ組織に指定してきた。ところが、タリバンをテロ組織指定を解除することを検討していると伝えられている。その背景にあるとされるのが新たなテロの脅威があり、ロシアとしては国内でISの地域組織への脅威が高まる中、テロ対策の分野でタリバンとの協力を進めたい狙いがあるとみられる。タリバン側はさらに周辺国とも結びつきを強めようと、新たな交易ルートや物流拠点を整備することで発展の足掛かりにしたいと考えている。
タリバンにとって国際社会で自分たちの暫定政権が承認されていない中で、関係改善の意思を示してくれている中国やロシアは心強い存在であることは間違いないという。タリバン関係者は、ロシアに関しては旧ソビエト時代にアフガニスタンに軍事侵攻したことがあるだけに不信感も残っているが、将来に向けて協力関係を築いていかなければならないと話していたという。こうした考えは欧米諸国に対しても同様。低迷が続く国内経済を立て直すためにはより多くの国々からの協力が不可欠であり、タリバンとしては中露や周辺国との結びつきをテコに欧米諸国との関係改善を模索するものと見られる。アフガニスタン情勢を巡っては、国連が主導する形で各国の代表者が話し合う会議が行なわれていて、今年6月の会議では初めてタリバンが代表団を派遣。これまでアメリカは、女性の権利の制限を続けるタリバンに対して厳しい姿勢で対応してきたが、今回の会議ではタリバンと向かい合い、麻薬問題など双方関心あるテーマを巡って協議を行った。アメリカをはじめとする欧米諸国としては、こうした枠組みを活用しながらタリバンへのアプローチを続けていくものと見られる。
日本をはじめとする国際社会は20年にわたって莫大な資金を投入しアフガニスタン社会を支援した。最大の成果は女子教育とされたが、ユネスコは「アフガニスタンの学齢期の少女80%相当の250万人が教育を受ける権利が失われている。タリバンは20年間の教育着手の着実な進歩をほぼ消し去った」としている。タリバン復権の要因の1つに米政府の対アフガニスタン政策の失敗がある。オバマ政権とトランプ政権のもとでタリバンと水面下で和平交渉をすすめ米軍撤退の道筋を模索してきた。米国では対アフガニスタン政策の問題点を検証する作業が本格的にスタートし、「アフガニスタン戦争委員会」と呼ばれる独立調査委員会が先月初めて公聴会を開催した。委員会は2026年8月までに最終報告書を公表するとしている。アフガニスタンでは過去20年間にタリバンとの戦闘で米兵2200人以上が死亡、アフガニスタンの治安部隊・市民は10万人以上死亡している。またアフガニスタンからの米軍の拙速な撤退がプーチン大統領に誤ったメッセージを送ってウクライナ侵攻を招いたという指摘や、アフガニスタンに残した大量の武器がタリバンや他の武装勢力に流れたという指摘も出ている。
約5千年前につくられたイギリスの古代遺跡「ストーンヘンジ」で新たな発見。赤で塗られた石はおそらくイングランドのもの、青はウェールズ、そして今回中央の黄色い石がスコットランドのものだと判明したという。
フランス西部にゲーム好きが大集合。数千種類のボードゲームを無料で楽しめるイベントが開催された。100人いるインストラクターがルールを教えてくれるという。子どもがスマホから離れるのも親にとっては嬉しいこと。このイベントは12日間にわたって行われた。
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イギリス・ノースヨークシャー州の映像を紹介。三大流星群の1つであるペルセウス座流星群とオーロラが同時に見られるという珍しい現象が捉えられた。
米国で猛暑に関連し死亡したとされる人の数について。現在年間8500人あまりだが、2050年には年間約6万人、更に猛暑による経済損失は現在の1000億ドルから5000億ドルに拡大すると試算されている。バイデン政権は気候変動対策への取り組みから風力や太陽光といった再生可能エネルギーへの転換を進めているがここにきてそれに“逆行”するかのような動きが出ている。“異常気象の要因には地球温暖化にある”と環境団体は語気を強めている。環境問題の専門家、ジョンウォレス名誉教授は石炭火力の発電はあらゆる発電方法の中でも環境への影響が特に大きいとして再生可能エネルギーの普及が急務だと訴える。しかし今米国国内ではこうした方針から正反対の動きが広がっている。こちらの石炭火力発電は運転を延長すると発表。延期により顧客の負担は約90億円減少するとしている。また別の電力会社も2030年までに温室効果ガスの排出量を30%削減するとした目標を取り下げると発表。専門家である米国電力研究所・ニーバエスピノーザ副所長はこうした動きの背景には急速に進む生成AIがあると指摘する。「チャットGPTはグーグル検索の10倍の電力を使用する。こうした高度のAI技術の利用が広がれば世界中で電力需要が大幅に増加する」と説明。膨大なデータを学習するためのサーバーが不可欠の生成AIは莫大な電力が必要だった。
終戦の日のきょう太平洋戦争中の激戦地のひとつフィリピンでは、日本とフィリピンの併せて約150万人の戦没者に祈りが捧げられた。太平洋戦争末期、フィリピンでは旧日本軍が本土防衛の最前線と位置づけ各地で住民を巻き込み激しい地上戦を繰り広げた。この戦いで100万人にのぼるフィリピンの人たちが犠牲となったほか日本の兵士など約50万人が戦死した。
韓国の尹錫悦大統領は朝鮮半島が日本の植民地支配から解放されたことを記念する「光複節」の式典で演説した。ユン大統領は南北統一について「必ず解決しなければならない重大な歴史的課題」と強調、実務レベルの当局者による「対話協議体」の設置を提案。
きょう中国・国家統計局は先月の主要な経済統計を発表。消費の動向を示す「小売業の売上高」は食品・日用品などの消費が堅調で、前年同月比2.7%のプラスとなり、伸び率は前の月から拡大した。ただ、節約志向の高まりを背景に自動車や家電製品などの消費はマイナスとなり、伸び率は依然として低い水準にとどまった。「工業生産」の伸び率は前の月から鈍化した。先月の新築の住宅価格指数は主要な70都市のうち66都市で6月から下落。主要都市の94%余で下落したことになり、不動産価格の低迷が一段と深刻になっている。
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米国の先月の小売業の売上高は前の月と比べて1%の増加となり、0.4%程度の増加を見込んでいた史上予想を大きく上回った。米国では高い金利水準が続く中、消費の減速が指摘されてきたが、今回の統計からは消費の堅調さが示された形となった。
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経済情報を伝えた。
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あすは…コンゴ民主共和国について放送。
出演者らが挨拶をした。
「NHKスペシャル」の番組宣伝。
にっぽん百低山の番組宣伝。