タリバンにとって国際社会で自分たちの暫定政権が承認されていない中で、関係改善の意思を示してくれている中国やロシアは心強い存在であることは間違いないという。タリバン関係者は、ロシアに関しては旧ソビエト時代にアフガニスタンに軍事侵攻したことがあるだけに不信感も残っているが、将来に向けて協力関係を築いていかなければならないと話していたという。こうした考えは欧米諸国に対しても同様。低迷が続く国内経済を立て直すためにはより多くの国々からの協力が不可欠であり、タリバンとしては中露や周辺国との結びつきをテコに欧米諸国との関係改善を模索するものと見られる。アフガニスタン情勢を巡っては、国連が主導する形で各国の代表者が話し合う会議が行なわれていて、今年6月の会議では初めてタリバンが代表団を派遣。これまでアメリカは、女性の権利の制限を続けるタリバンに対して厳しい姿勢で対応してきたが、今回の会議ではタリバンと向かい合い、麻薬問題など双方関心あるテーマを巡って協議を行った。アメリカをはじめとする欧米諸国としては、こうした枠組みを活用しながらタリバンへのアプローチを続けていくものと見られる。
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