アメリカ大統領選挙。アメリカでは最近、郵便投票のために路上に設置された投票箱の放火事件が複数起きている。そうした中でも、各地で期日前投票が行われている。民主党、ハリス副大統領を推す、バイデン大統領も1票を投じた。すでに4300万人以上が、郵便または直接投票所で投票したという。激戦州の一つ、ネバダ州。エンターテインメントとカジノの街、ラスベガスがあり、選挙結果を左右するといわれる、ヒスパニック系の有権者の多くが、飲食店やホテルなどのサービス業で働いている。ヒスパニック系の有権者は州全体の22%を占め、両陣営は、暮らしに直結する訴えに力を入れている。その鍵となるのが、こうした人たちの重要な収入源のチップ。ことし6月、トランプ氏が打ち出したのがチップの非課税。直接的な収入の増加につながる政策でアピールするねらいがあると見られている。サービス業の従業員からは、チップへの課税廃止を歓迎する声が上がっている。もともとは民主党の支持者が多いヒスパニック票の切り崩しに危機感を抱いたハリス氏も、トランプ氏に追随する形でチップ課税を廃止する方針を示した。最低賃金の引き上げも、事実上の公約に掲げ、トランプ氏との違いをアピールしている。ネバダ州最大規模でヒスパニック系の組合員も多くいる労働組合では、戸別訪問に力を入れ、票の掘り起こしを図っている。暮らしに直結する訴えによる両陣営のしれつな争いが続いている。