パキスタンの最大都市カラチの人口は2038万までに増えたが、経済効果を最優先に都市開発を進めたことでトイレの整備が追いついていない。公衆トイレ1台の設置費用は日本円で150万円前後。企業からの寄付で費用を賄い、地元のNGOが設置できたのは4年間で2か所だけ。パキスタン政府にとって、公衆トイレの整備はインフラなどと比べて優先順位が低い。屋外での排せつは水の汚染などにもつながり、子どもたちが下痢などの病気で命を落とすといったことにも。隣国インドでは、2014年にモディ首相が「きれいなインド」という政策を打ち出して、国を挙げてトイレの普及に取り組んでいる。