オーストラリアでは、去年12月、16歳未満の子供のSNS利用を禁止する法律が成立し、今年12月に施行される。十代の若者の多くが起きている時間の半分以上をデジタル機器を使用して過ごしている。シドニーのアシフィールド高校では日中は鍵をかけた場所にモバイル機器を保管する。認知機能を考慮したからだという校長。手元になければ脳はそれについて考えなくなる。授業中の記憶が妨げられなくなる。生徒はスマホを使えないことにすぐ慣れた。そして歓迎したという。メッセージが届いていないか気を取られていたという生徒。先生の説明に集中できるようになったという。家でもスマホをチェックしなくなったという生徒もいる。劇的に変わったのは校庭の使い方だ。サッカーをする生徒たちが外にでてくるようになったとのこと。マッコーリー大学の研究によると、小学生は1日に6時間半、高校生は1日に9時間もデジタル機器を使用しているという結果が出た。カリフォルニア大学の博士は、実験の中で生きているようなものだと言う。デジタル機器の使用時間と、脳の発達について分析している。長時間デジタル機器を使う子供の方が、感覚運動を司る脳の縮小がわずかに大きいという。前頭葉の発達不全を確認したとのこと。睡眠障害や、家族との不和を抱えるケースが多い。スマホなどを長く見る子供は、外在化という行為が多く見られた。怒りや癇癪を爆発する行為だ。南オーストラリア州政府は、子供のSNS使用に関する禁止につながる提言を行った。デジタル機器についても、子供に制限をかけるべきだと州首相がいう。デジタル機器が子供に悪影響を与えていることは明らかだという。聖イグナチオカレッジでは、次の学期から火曜日にデジタル機器の使用を控えることにし、ペンと紙を使用することを奨励される。デジタル機器が介在しない場面で得られる大切なスキルの習得が阻害されてはならないという州首相。アッシュフィールド高校の校長は、取り組みによって学業成績が上がったという。
URL: http://www.ucla.edu/