インドネシアの大統領選挙を取材した。大統領選で最有力候補となっているプラボウォ氏は現職の国防相。ジョコ大統領の後継者として高いに人気を追い風に選挙戦を有利に進めてきた。自身三度目の挑戦となる今回の大統領選では軍の元最高幹部という強面イメージを変えようとする戦略を展開している。ダンスする動画をSNSにアップしカワイイというコメントも付けられている。ともに戦う副大統領候補になっているのはジョコ大統領の長男であるギブラン氏。この人選の背景にもジョコ大統領の人気を指示に結びつけるねらいがあるのは明らかだと言われている。しかしギブラン氏の立候補資格を巡る問題がある。本来インドネシアの法律では40歳以上でなければ副大統領に立候補できない。36歳のギブラン氏が立候補できたのは直前になって憲法裁判所が「自治体の首長経験があれば立候補可能」という判断を示したためだった。しかも憲法裁判所の長官はジョコ大統領の義弟、つまりギブラン氏の伯父だったのだ。大統領の縁故によって法律が捻じ曲げられたのではと、民主主義の後退だとして一斉に非難の声が上がっている。さらにプラボウォ氏自身が過去人権侵害に関わっていたと問題視する声もある。プラボウォ氏は民主活動家の拉致事件に関与したとされ軍籍を剥奪されている。人権団体は13人の活動化や学生が拉致され行方不明になっていると首長している。プラボウォ氏を支持する若者の中にはプラボウォ氏の過去をよく知らないばかりか事件の関与を信じていないという人もいる。