北海道・帯広のJICA施設で農業支援の一環として研修が企画された。参加した5人はいずれもパレスチナ暫定自治政府で農業の普及・農家の指導に携わっている。彼らが活動しているのはヨルダン川西岸で、イスラエル軍の攻撃にさらされているガザ地区とは分断されている。オリーブやぶどう、スイカなどの生産が盛んだがここでもイスラエルによる占領が影を落としている。参加者のリーダー・ムスタファ・リームさんは「広い範囲で農地が奪われ水資源もイスラエルに管理されている。人や農作物の移動も制限されている」などと話した。発展を妨げられるパレスチナの農業。リームさんらは少ない農作物でも効率的に市場で売ることで農家の収入を増やそうと流通の仕組みの進んだ十勝に学びに来た。この日訪れたのは卸売り市場で、年間約4万トンの農作物が取引きされている。パレスチナでは市場がきちんと管理されていないことも多く、価格がどう決まるかも明確ではない。見学の後の質問会では次々に質問が飛び交っていた。市内のスーパーマーケットも訪れ、農作物を魅力的に見せる売り方も見学した。