パリ五輪の開会式に参加したパレスチナ選手団。競泳や柔道などの競技に8人が参加する。ガザでの戦闘開始以降、300人を超える選手やコーチが犠牲になった。競泳男子のヤザン選手は「人間でありパレスチナ人であることを世界に示したい」と話した。今回のパリ大会では各地で続く戦争が暗い影を落としている。ガザで親戚を失った競泳女子のバレリー・タラジ選手。食料危機が続くガザで海に投下された支援物資を取りに行こうとして多くの市民が溺死した出来事を振り返り、「大勢の人が溺れているのを見て本当にショックだった。ガザの子供たちに水泳を教えようとしていた矢先だったのに」と話した。オリンピック憲章はスポーツによる平和な社会の推進という理念を掲げる。しかし、その難しさを物語る出来事が相次いでいる。去年開かれたフェンシングの世界選手権。試合後ウクライナ選手は相手のロシア選手との握手を拒否し失格に。また、今回の五輪ではロシアと同盟国ベラルーシに対し、IOCはウクライナ侵攻を支持しないなどの条件を設け、「個人としての参加」のみ認めた。プーチン大統領は「このような行動を取るなら五輪ムーブメントは葬り去られる」と反発。今、ロシアは五輪とは別のスポーツ大会「フレンドシップ・ゲームズ」を計画。五輪を上回る35競技を実施と主張。