日本がカカオ豆を最も多く輸入している国であるガーナ。13歳のドラさんは授業が終わって帰宅するとナタを取り出し歩くこと40分、向かった先はカカオ農園。家計を助けるため幼い頃から働いているというドラさんは3年前にようやく学校に通えるようになったが今でも1日3時間ほど働いているという。カカオ農園は小規模な農家が多く、長年子供が重要な労働力だった。ガーナでは5人に1人が児童労働に従事しているといわれている。しかし政府は事実上児童労働は撤廃されたと主張する。取材した小学校でも保護者の意識改革が行われ子供たちの9割は学校に通えるようになったが、学校がないときに労働している子供もいる。ガーナのNGO団体はカカオ農園をめぐる児童労働はいまだ根付いていると指摘、多くのカカオ農家が違法採掘業者に農園の土地を売却していると話す。以前はカカオ農園だった土地で重機を使って地面を掘る作業員たち。ガーナでは金の採掘や取引に外国企業が関わることは禁止されているが中国企業がそのほとんどを手動しているという。採掘現場にも子供の姿があり、16歳のロランドさんは以前はカカオ農園で働き、現在は金の採掘現場で働いて学費をためている。多くのカカオ農家の生活費は1日2ドルほどだが採掘現場では1日120ドル稼ぐこともできるという。違法採掘の影響で化学物質による汚染が広がっていた。ガーナ政府はカカオ農園の土地売買を禁止する法律の制定を進めているが、金の高騰などを背景に農家が土地を売るケースが後を絶たない。