イギリスでは刑務所の収容能力が限界に近づいており過密な状態が大きな問題になっている。先週の総選挙で新たに政権党となった労働党は、受刑者を早期に釈放する前政権の政策を一段と進め、刑期の半分以下で釈放することもありうる緊急対策を近く発表する。スターマー首相は刑務所が過密状態になっていることを受け、今週中にも受刑者を刑期の半分以下で釈放することもありうるという緊急対策を認めるとみられている。この対策は、各地の刑務所長から収容能力の限界が近づいているとの訴えを受けたもので新政権の緊急課題になっている。イングランドとウェールズで刑務所にいる受刑者は現在およそ8万7000人。刑務所の収容能力はおよそ8万9000人が限界だが、ほとんどの刑務所で上限の98.5%に達している。厳しい目が集まる中、危機的状況に対処することに新政権の手腕が問われている。