世界経済に衝撃を与え、トランプ関税を巡る交渉で最初に合意を勝ち取ったのはイギリス。海外メディアなどによると、今回の交渉でイギリスがアメリカに提示した交渉カードの主なものは、アメリカ製品に対する関税を5.1%から1.8%に引き下げること、牛肉など農産物の一部輸入拡大、高関連部品の輸入を拡大することなど。これに対しアメリカは、イギリス製の車に課している関税を年間10万台まで10%に引き下げること、鉄鋼やアルミニウムなどの関税を撤廃などに合意。他の多くの品目に一律で課している10%の関税については維持。自動車・鉄鋼・アルミ・農産物はいずれも日本にも関係する交渉カード。中でもイギリスがアメリカ産牛肉に対し1万3000t分の無関税枠を設けたことに、江藤農水大臣は警戒感を見せている。現在日米双方は、事務レベルでの交渉を続けているが、日本経済にとって深刻な状況が浮き彫りになってきた。自動車・自動車部品に課せられている25%の関税。昨日決算を発表したトヨタ自動車は、トランプ関税によって先月と今月だけで営業利益が1800億円減るとの見通しを示した。このまま高官税が続けば、日本経済を支える基幹産業に大打撃となる。
アメリカとイギリスの合意には、日本にとって参考にできる部分とできない部分があるという。日本政府として譲ることができない自動車への関税の引き下げも交渉の対象になるということが今回の合意でわかったんだと歓迎している。一方で、アメリカにとって貿易黒字であるイギリスと貿易赤字国である日本では条件が全く違ううえに、今回の合意はイギリス側にとっても実はそんなにいいディールでもなさそうと心配する声が上がる。アメリカとイギリスの発表内容にはずれがあり、特に農業の分野でイギリス側が譲った部分など詳しい内容が明かされていないということで、政府関係者は「今後イギリス国内で自動車を救うために農業を差し出したなど反発が起こる展開にもなりかねない」と話しているという。去年アメリカはイギリス製自動車を約11万台輸入。今回年間10万台まで関税を10%にすることで合意。一方、日本製の自動車について、去年アメリカは約139万台を輸入し、単純にイギリスと比較できる規模ではない。ある財務省幹部は、「今回イギリスがどれぐらいすごいカードを切っているかよくわからない」などとし、またイギリスが交渉しても10%の関税が残ったことに懸念を示す。今月の中旬以降に予定される赤沢大臣の3回目の交渉にも少し光が見えてきたという。ただ、石破政権の幹部は「今回の合意によって10%の関税は残すというのが1つの基準になってしまったのではないかと危惧している。日本政府はあくまで「自動車関税ゼロ」を目標にしているが、仮に他の国が25%の関税がかかったままなら、日本に10%の関税が残ったとしても早めに妥結したほうが相対的には得策だという見方もある。参院選の前に成果を出したいという声もあるが、アメリカ経済が悪化して交渉で日本が有利になる状況を待ったほうがいいという声が大きくなりつつあるように感じるという。
アメリカとイギリスの合意には、日本にとって参考にできる部分とできない部分があるという。日本政府として譲ることができない自動車への関税の引き下げも交渉の対象になるということが今回の合意でわかったんだと歓迎している。一方で、アメリカにとって貿易黒字であるイギリスと貿易赤字国である日本では条件が全く違ううえに、今回の合意はイギリス側にとっても実はそんなにいいディールでもなさそうと心配する声が上がる。アメリカとイギリスの発表内容にはずれがあり、特に農業の分野でイギリス側が譲った部分など詳しい内容が明かされていないということで、政府関係者は「今後イギリス国内で自動車を救うために農業を差し出したなど反発が起こる展開にもなりかねない」と話しているという。去年アメリカはイギリス製自動車を約11万台輸入。今回年間10万台まで関税を10%にすることで合意。一方、日本製の自動車について、去年アメリカは約139万台を輸入し、単純にイギリスと比較できる規模ではない。ある財務省幹部は、「今回イギリスがどれぐらいすごいカードを切っているかよくわからない」などとし、またイギリスが交渉しても10%の関税が残ったことに懸念を示す。今月の中旬以降に予定される赤沢大臣の3回目の交渉にも少し光が見えてきたという。ただ、石破政権の幹部は「今回の合意によって10%の関税は残すというのが1つの基準になってしまったのではないかと危惧している。日本政府はあくまで「自動車関税ゼロ」を目標にしているが、仮に他の国が25%の関税がかかったままなら、日本に10%の関税が残ったとしても早めに妥結したほうが相対的には得策だという見方もある。参院選の前に成果を出したいという声もあるが、アメリカ経済が悪化して交渉で日本が有利になる状況を待ったほうがいいという声が大きくなりつつあるように感じるという。