キリンが5年以上かけて開発した電気の力で食べ物の塩味を強くすることができるスプーン「エレキソルト」の値段は1台1万9800円。スプーンの持ち手には電源があり、先端は金属を樹脂で覆っているような二重構造になっている。食べ物の塩味のもとといわれるナトリウムイオンは通常、分散されているが、今回開発されたスプーンでは、微弱な電流を通すことでそのナトリウムイオンがギュッと引き寄せられ、集まったあとに舌に触れるため、塩味が1.5倍程度強く感じられる仕組みだという。背景にあるのは日本人が抱える塩分のとりすぎ問題。近年、健康志向の高まりなどから、減塩や無塩食品の市場は拡大傾向になっているという。キリンは食を健康的なものに変えようとしている40〜60代をターゲットに、オンラインストアなどで販売していて、今後、スプーン以外にもお椀など食器類の商品化も目指す考え。