トランプ大統領が「カードがない」と言っていたウクライナ側には交渉カードにしていたとされる占領地がある。ロシア・クルスク州。去年夏からウクライナが越境攻撃を仕掛けた。ゼレンスキー大統領は「ロシア領土に緩衝地帯を維持し、ロシアの軍事力を積極的に破壊している」と述べた。アメリカが情報共有を止めた5日以降徐々にロシア軍が前進を続け、9日までに7集落を奪還。ロシア側が失っていた領土の3分の2を取り返したとされている。ウクライナメディアなどによると1万人のウクライナ兵士が包囲される可能性があり、撤退も検討されている。ウォールストリートジャーナルは「撤退は軍事的だけでなく政治的にも困難をもたらすだろう。ウクライナは弱い立場で交渉に臨むというアメリカ政府のシナリオに組み込まれる危険がある」と伝えた。