去年1月、大阪湾で死んだ体長14メートル余りのクジラについて、大阪市は市内の海運業者と8019万円で随意契約を結び、紀伊水道沖に運んで沈める処理を行った。費用は大阪港湾局が業者と協議して出した当初の試算の2倍以上で、業者が提示した額に近く、大阪市の入札等監視委員会は「契約事務手続きの適正性に疑義がある」として、ことし2月から調査を行い、きょう結果を公表した。随意契約の判断や処理方法は、緊急性から「違法や不当であったとまではいえない」としたものの複数の問題が確認され、「予定価格の積算根拠や契約金額には疑義が残る」と指摘した。具体的な問題としては、いずれも港湾局のこの業務の担当ではない当時の人事港湾再編担当課長が業者で働く市のOBにクジラの処理後、酒を贈っていたほか、当時の経営改革課長が契約の交渉期間中に2回ほど業者の担当者と会食していたことなども確認されたという。監視委員会は市に対して、ほかにも契約事務に関する違反がなかったかなど、調査を行ったうえで改善策を講じることなどを求めた。