インドにとって対中国が外交の大きな課題になる。インド・モディ首相はグローバル・サウスとの連携も強めている。インド外交専門家・サンジャヤバル氏は「モディ首相の政策は新しいものではなく、グローバルサウスの主張は初代首相のネルーまで遡る。南の途上国と連携する政策はインドの歴史と密接につながっている。インドは英国、フランス、オランダ、ポルトガルの植民地下支配を受け、独立運動はヨーロッパ植民地主義との闘いだった。そこに南の多くの国々との共通点がある。そして今日も世界的課題に向き合うために連携している」と話す。またモディ政権の問題点については、「インド国内でのヒンドゥー教徒以外の少数派の扱いについて懸念が高まっている。イスラム教徒、キリスト教徒、シーク教徒に対する問題である。民主主義制度の後退も懸念されている。インドではメディアに自由がないと感じていて、特に米国はこれを問題視している」と指摘する。インドの国民意識を理解することがポイントとなる。ムンバイにあるガンジーがかつて一時的に滞在した家を訪ねた。現在は博物館になっておりガンジーの生涯が模型で展示されており、1893年にガンジーが若い頃に弁護士として滞在していた南アフリカで直面したある事件が取り上げられていた。当時の南アフリカはオランダ系やイギリス人らが支配を強めており、ガンジーは肌の色を理由に白人らから1等車から強制的に降ろされる事件があり、この事件をきっかけにガンジーは白人による植民地支配との戦いを決意したという。