JR西荻窪駅前で出会った天狗湯の3代目・澤さんの家までついて行った。銭湯の中を見せてもらった。桶は関西型。関東型に比べて浅い。関西人はかけ湯をするので、浅めになっているという。看板に書いて興味を惹くため関西型にした。現金だけでなくPayPay決済も対応。牛乳は瓶。紙パックと比べて3~4倍売れるという。午後3時45分に開店して夜11時45分に閉店。6~7人が働いている。100人が入ると売上が4万円。土日のイベント時は200~300人が来るという。戸棚には古い写真がたくさんあった。初代は品川区で銭湯を営んでいたが、戦争で燃えてしまい、西荻窪にあった中古の銭湯を譲り受けた。昭和44~45年に建て替えて現在に至る。2代目の父親は薪でお風呂を炊き、煙突もあった。1番大変だったことを質問すると、ずっと家にいなきゃいけないと答えた。バブル時代は同級生たちが遊びに行くのが羨ましかった。銭湯は労働時間が長く、寝るのは朝4~5時だという。バルブは長年の感覚でその都度調整する。掃除はタワシで細かくやっている。2階が住居スペース。内縁の妻・あずささんが大好きなバンド怒髪天のCDがあった。怒髪天は1984年にデビューした3人組ロックバンド。“リズム&演歌”という独自のジャンルを確立。2人は飲み屋で意気投合したという。あずささんはIT関係で働いているので、ご飯は一緒に食べれない。夜は仮眠して一緒に晩酌する。銭湯の定休日は火曜・金曜なので土日休みのあずささんと合わない。昔は何軒も銭湯があったが、今では天狗湯だけになってしまった。澤さんは子どもがおらず、70歳ぐらいでやめようと考えていたという。