撮影3日目。朝一番から1人のお客さんが。いつも病院に行く前に立ち寄っているという。血圧が高くサウナは入れないので、湯船だけ浸かっている。ここで温まってから病院に行くと、病院のベッドの上でよりゆっくりできるという。また、男性はここに来て「ママさん(店主)の顔を見るのが楽しみ」だと話した。お店とお客を越えた関係。時代が変わっても、ここでは何も変わらずに続いている。そうした常連さんに励ましも、店主がこのお店を続けられた理由となっている。夕方、サウナを入り終えた若者と出会った。3年前、営業マンの仕事を辞め、この地に移住してきた。宿を作りたいという夢に向かって少しずつ進んでいるが、行き詰まったりしたときなど、ここに来て店主と話すことで励まされるという。昭和から続くサウナ。その変わらない日常はぬくもりに満ちていた。30年通い続ける80歳の男性がいた。麻雀に行くというと奥さんからいろいろ言われるが、サウナに行くときだけは何も言われない。今はこのサウナだけが楽しみだという。