戦前、日本が統治していた南樺太、今のサハリン南部に戦後も残留した日本人やその子孫の集団での来日が5年ぶりに実現し、札幌市で墓参りを行った。墓参りは厚生労働省の「樺太等残留邦人の集団一時帰国事業」で行われた。この事業は新型コロナの感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻の影響で中断されていたが、5年ぶりに再開し、サハリンなどに住む日本にルーツを持つ人たち12人が来日した。一行はきょう、札幌市南区の霊園を訪れ、サハリンや旧ソビエトの残留邦人のための共同墓所の前で手を合わせた。中には墓に刻まれた親族の名前を見つけて、愛おしそうに指でなぞる人も見られた。墓所を訪れた1人、佐藤静子さんは当時の南樺太で母親のお腹の中で終戦を迎えたという。一行は今月10日まで日本に滞在する。