シカゴで民主党大会の取材をしている西河篤俊さんによると、民主党の幹部は今後数週間以上かけて、この政策綱領を補う形でハリス氏独自の政策を打ち出していくという姿勢を打ち出しているという。今回独自色を出さなかった背景には時間的な制約の他に、バイデン氏との違いを出そうとして党内で波風を立てることを避けたいという狙いもあったと見られている。一方で、バイデン政権が今抱える課題、とりわけ有権者たちの関心の高い経済政策と移民政策はハリス氏にとって失速する要因になりかねないとされている。今後無党派層を意識して、独自カラーを出すことが予測される。中東政策についてはより厳しくイスラエルに臨む姿勢を見せていくだろうという観測も出ている。アメリカの若者たちの間でガザで市民の犠牲が増え続ける中でもイスラエルへの軍事支援を続けたバイデン政権への反発が広がったことがハリス氏の頭の中にあるとされている。しかし、パレスチナに寄り過ぎると逆に親イスラエルの人々の支持離れを招くおそれがある。結果としてイスラエル寄りの姿勢が鮮明なトランプ氏を利することになってしまうというジレンマも抱えている。中東情勢はハリス氏にとってマイナスの要因になる可能性がある。選挙戦への影響を意識しながら自分のスタンスを模索していくことになるとみられている。