先月、芥川賞を受賞した「東京都同情塔」は、欠点を探すのが難しいほど完成度が高い小説と評された。舞台は犯罪者が快適に暮らせる高層タワー建設が計画中の架空の日本。受賞の記者会見で九段理江は「全体の5%ぐらい生成AIの文章をそのまま使っている」と話した。この会見は海外でも取り上げられ、彼女の本の執筆にAIが協力したことを認めたなど、世界中で様々な声が上がった。周りでの変化について九段理江は、まだ翻訳がされていないが海外のウィキペディアで、Rie Qudanのページが作られていたり、とても戸惑いを感じると語っていた。作品では登場人物たちがたびたび辞書代わりに生成AIを利用するさまが描かれている。時には生成AIの文章に苛立つ様子も描かれている。九段さんは主人公の文章を投げかけ、生成AIが作った文章をそのまま使用していた。九段理江は、普段から生成AIを全然使わないので想像だけで書くよりも自分で使用した実感が小説のリアリティのために役立つんではないかと思ったのがキッカケだと語った。