米国大統領選挙の投票日まで1週間となった。バイデン大統領は地元のデラウェア州で期日前投票を行った。選挙戦が最終盤に入り、民主党・ハリス副大統領と共和党・トランプ前大統領はそれぞれ選挙の行方を左右する激戦州での活動に力を入れている。東部ペンシルベニア州では27日、ハリス氏が民主党の支持基盤である黒人やヒスパニック系の人が働く店などを訪問し、支持を訴えた。トランプ氏も同じペンシルベニア州で集会を開き、ハリス氏を批判した。全米を対象にした各種世論調査の平均ではハリス氏が8月に候補者に正式に指名されたあと、トランプ氏をリードする時期が長く続いていたが、ここ数日でトランプ氏が逆転。最新のデータではトランプ氏が0.2ポイント上回っている。7つの激戦州すべてでトランプ氏が上回っているが、その差は僅かで、激しい競り合いが続いている。米国の新聞は、大統領選挙の際、特定の候補者への支持を表明するのが恒例で、ワシントンポストとロサンゼルスタイムズはこれまで民主党のオバマやバイデンなどへの支持を表明してきたが、今回は特定の候補者への支持を表明しないと発表した。ワシントンポストは1976年より前は支持表明をしておらず、以前の方針に戻ると説明。ワシントンポストは論説を担当する記者たちがハリスへの支持表明を準備していたものの、オーナーでIT大手アマゾンの創業者でもあるジェフベゾスの判断で記事の公開が取りやめられたとも伝えている。SNSには抗議する投稿が相次ぎ、公共ラジオNPRは20万人以上が電子版の購読を解約したと伝えている。ロサンゼルス・タイムズもオーナーが、特定の候補を選べば既に深まっている国の分断が悪化するとしているものの、論説主幹が決定に反発して辞任したという。