FRB(連邦準備制度理事会)・パウエル議長は、アメリカ議会上院で証言した。景気や労働市場の減速を強調し、年内の利下げを改めて示唆した。パウエル議長は「経済リスクはインフレだけではない。利下げが遅れれば景気や雇用が必要以上に悪化する可能性もある」と述べ、利下げの際は景気や労働市場もインフレと並ぶ大きな判断材料となりつつあることをあらたに示した。利下げの時期については「インフレ抑制を示す良好なデータが続けば、利下げへの自信を深められる」と述べるにとどめている。公聴会では、野党・共和党議員から11月の大統領選前の利下げをけん制する発言もあった。パウエル議長は「政策判断はデータ次第」と述べ、中央銀行の独立性を改めて強調した。