米国の野党・共和党の全国党大会は15日、中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーで4日間の日程で始まった。トランプ前大統領は党大会が開幕する2日前の13日、東部ペンシルベニア州での演説中に銃撃を受け、右の耳にけがをしたが、党大会に出席するため、すでに開催地に到着している。大会初日は各州選出の大議員による指名投票が行われ、トランプ氏が過半数を獲得し、日本時間のけさ、党の大統領候補に正式に指名された。また、トランプ氏は自身のSNSで副大統領候補について“上院議員のJDバンス氏を選んだ”と発表した。バンス氏は中西部オハイオ州出身の39歳。オハイオ州で育った自身の経験をもとに、製造業が衰退した地域に暮らす白人労働者層の日常を描いた回顧録を8年前に出版し、ベストセラー作家となった異色の経歴を持ち、トランプ氏が掲げる「米国第一主義」を強く訴えてきたことで知られている。トランプ氏は党大会最終日の18日に指名受諾演説を行う予定で、党大会を通じて暴力に屈しない姿勢を強調するとともに、秋の大統領選挙に向けて弾みをつけたい考え。一方、トランプ氏が軍の情報など最高機密を含む文書を不正にフロリダ州の自宅で保管していたとしてスパイ防止法違反の罪などに問われていた裁判で、米国のメディアは15日、フロリダ州の連邦地方裁判所が、検察側の起訴を棄却したと伝えた。メディアは検察側は不服を申し立てるとみられるとしているが、トランプ氏側にとって大きな勝利だとも伝えている。