上野動物園のジャイアントパンダ、リーリーとシンシンが高齢のため、きのうふるさとの中国に帰った。このうちメスのシンシンは子どもを産んで愛情を持って育てる姿が話題になった。このシンシンを最後に一目見ようと動物園を訪れたある女性を取材した。リーリーとシンシンの最終観覧となったおととい、上野動物園には早朝から2000人を超える人が駆けつけた。動物園で見られる最後の姿を映像に収める人たちの中には涙を流す人もいた。埼玉県春日部市に住む中野リサ子さんも大好きなシンシンに別れを告げようと動物園を訪れた。中野がシンシンのファンになったのは母親として子育てをする姿を見たことがきっかけだった。娘と息子の2人を育ててきた中野。子どもが小さいときは仕事をしていて十分構ってあげられなかった。中野は同じ母親としてシンシンが懸命に子育てする姿に共感した。特に印象に残っているのは双子が小さいころ両方に目を配っていた姿だった。今は働いている娘の代わりに日中、孫娘を預かり、1歳になったばかりの孫育てに奮闘している。中野さんは心の支えにしてきたシンシンとの最後の時間を大切にしたいと考えていた。迎えた最終観覧日、早朝から動物園に来ていた中野は6時間以上列に並んだ。上野動物園によるとシンシンらはきのう中国四川省にある専用の飼育施設に到着し、しばらくの間ここで過ごすという。