フランス議会下院選挙の決選投票では、三つ巴となる選挙区のうち、与党連合・左派連合・国民連合の争いになるのは、約8割になるとの見方が出ている。与党連合と左派連合の候補者の間で、票を奪い合い、結果的に国民連合に有利になる選挙区が続出する可能性が指摘されている。与党連合と左派連合の陣営は、候補者の調整を進める方針を打ち出した。左派連合「新人民戦線」のメランション氏は、3番手となった候補を取り下げる考えを明らかにしたほか、マクロン大統領もフランスの価値観を重視する勢力が広く結集するときが来たと述べて、協力して国民連合に対抗することを呼びかけた。決選投票に向けた候補者の登録は、あす締め切られる。調整がうまく進めば、国民連合などが議会の過半数を占める可能性はより低くなるとの見方も出ている。現段階では、与党連合と左派連合の足並みは揃っているとは言い切れない。ルメール経済相は1日、決選投票に向けて協力すべき政党に、左派連合の一部の党は含むべきではないとの考えを示すなど、与党関係者が調整に向けて一枚岩になっているとは言えない状況だ。左派の支持者のなかには、政権に対して不満を持っている有権者も少なくない。与党連合が議会の多数派を握るのは現段階では非常に厳しい情勢だ。野原は、大統領の出身政党と議会の多数派を握る政党が別となる「ねじれ現象」となる可能性が非常に高く、どのような結果になるのか注目されているなどとした。