ウクライナでは東部ドネツク州のアウディーイウカ周辺で、占領地域の拡大をねらって包囲を試みるロシア軍の攻撃が続いている。ゼレンスキー大統領15日、公開した動画で東部の戦況について報告を受けたと明らかにし「ウクライナの人々の命を救うためわれわれの兵士が力を発揮できるよう全力を尽くしている」と述べ、戦局の打開に努めていると強調した。ホワイトハウスで安全保障分野の広報を担当するカービー大統領補佐官は15日、記者会見で「ウクライナ側から危機的な状況だと報告を受けている。アウディーイウカはロシアの支配下に入るおそれがある。ウクライナ軍が、前線で砲弾が足りなくなっているのが理由だ」と明らかにした。ロシアの攻撃の阻止に必要な砲弾を提供できていないとしてアメリカ議会がウクライナへの支援を含む緊急予算案を早急に成立させる必要があると強調した。アメリカ議会では上院が13日にウクライナやイスラエルへの支援を含む緊急予算案を可決したが、野党・共和党が多数派の下院では可決する見通しが立っておらず、予算案が成立するか不透明な状況が続いている。